人間は自然に息を吸ったり吐いたりを繰り返していますが、実は呼吸には「腹式呼吸」と「胸式呼吸」の二種類があります。このうち「胸式呼吸」は仕事や家事などで忙しくしているときや運動しているときなどに行われており、人間が無意識に行っているのはほとんどがこの「胸式呼吸」です。

それに対して「腹式呼吸」は深く息を吸って吐くことで、お腹の奥にまで酸素を取り入れ鼻からゆっくりと二酸化炭素を吐き出す呼吸です。

「胸式呼吸」は精神を緊張させる交感神経を活発化させ、「腹式呼吸」は精神をリラックスさせる副交感神経を刺激します。

日常的に忙しくしているときと同様、ストレスを感じているときにも人間は「胸式呼吸」を行っています。このため、相対的に交感神経が働く時間が多くなり、副交感神経は休止状態になります。こうして自律神経のバランスが乱れた結果、免疫力にも悪影響を与え、体に様々なトラブルを引き起こしてしまいます。

これを防ぐには、日々の生活の中で意識的に「腹式呼吸」を行うことが効果的です。

「胸式呼吸」は口呼吸とも呼ばれ、口だけで浅く息を吸ったり吐いたりしている状態です。このため、口の中に空気中の細菌やウイルスが付着しやすくなり、それを退治するためにますます免疫系が激しい活動を行わなければならなくなり、疲弊させてしまいます。

逆に、「腹式呼吸」は鼻呼吸と呼ばれており、深く息を吸って鼻から吐くことで細菌が口内に付着することを防ぐ働きも持ちます。また、「腹式呼吸」を行うことで体内により多くの新鮮な酸素が取り入れられ、血液中の白血球やリンパ球が働きやすくなります。

体内の隅々にまで酸素と栄養が行き渡るとともに、血液中に溜まった老廃物が効率よく排出されるようになり、免疫力を高めてくれます。

「腹式呼吸」は「吸って吐く」のではなく、「吐いて吸う」ことが基本です。背筋を伸ばし、正しい姿勢を取って、体の中の全ての空気を吐き出すつもりで、時間をかけてゆっくりと口から息を吐きます。次に、鼻から大きく息を吸います。

この時、お腹を大きく膨らませるようにすることがコツです。息を吸いきったら、再びゆっくりと口から吐き出しましょう。この「腹式呼吸」を繰り返すことで、高まった交感神経が休まり、副交感神経が刺激されてリラックスできる状態を作り出します。

自律神経のバランスが整うと、自然と免疫力も向上していきます。「腹式呼吸」は仕事中や電車やバスなどの移動中など、気づいたときにいつでも行えますし、眠る前に仰向けで10回ほど繰り返すと、副交感神経の働きにより質の良い睡眠を取ることが出来ます。生活の中に意思意的に「腹式呼吸」を取り入れ、自律神経のバランスを整えるとともに免疫力を高めていきましょう。