免疫系は、異物が体内に侵入し、それを排除する際に抗体を作ります。この抗体が、次に同じ異物が侵入してきた時にすばやく反応し、攻撃することが出来るのです。この免疫系の学習システムを利用したのが病原体に対するワクチンですが、当然のことながら異物に接触しないと抗体は作られません。

よく「最近の子供は病気になりやすくなった」などと言われますが、これは近年の清潔志向が招いた結果であるかもしれません。確かに生まれたばかりの赤ん坊は非常に免疫力が弱いため、母乳でそれを補っています。細菌やウイルスに対しての抵抗力も弱く、哺乳瓶や衣類を丁寧に殺菌・除菌して、病気から守ってあげることが重要です。

しかし、成長してある程度の免疫力がついてくると、あまりにも清潔にしすぎることは抗体を作る機会を奪ってしまうことにもなります。例えば「汚いから公園の砂場では遊ばせない」「何にでも殺菌スプレー」というような無菌状態の生活を子供の頃から送っていると、細菌やウイルスに接触することも無くなり、よって抗体が作られないという結果になります。

そしていざ外に出て病原菌に触れた時、抗体が無いために病気にかかりやすく、また重症化しやすくなってしまうのです。身の回りを清潔にしておくことは重要ですが、あまりにも度が過ぎた清潔志向は逆に免疫力を低下させてしまう原因にもなります。予防接種をきちんと受けたうえで、外でしっかり遊ばせることが大切です。

少しくらい風邪を引いても、子供の回復力は高いのでそれほど大事になる危険は大きくありません。また、日光を浴び、体を動かすことで体力がついて、元気な体、つまり健康で免疫力の高い状態にすることが出来るのです。

子供のためを思っているつもりでも、反対に病気に弱い子供に育ってしまう可能性もありますので、清潔志向もほどほどにすることが丈夫な体を作ることにつながります。

しかし近年、食に関しては何でも無造作に口に入れることは出来なくなっています。科学技術の発達により、自然界には存在していなかった合成着色料や保存料などの食品添加物が多く使われるようになってきたためです。

認知されている食品添加物は「一生食べ続けても安全」とされているものだけですが、まだ開発されてそれほど長い歴史があるわけではなく、発ガン性などの直接的なリスクの有無は抜きにしても、長期間食べ続け、体内に蓄積されていくと肝臓や腎臓に負担をかけ、免疫力に影響することも考えられます。

保存料、防カビ剤、酸化防止剤などは消費者側にもメリットがあり、これらを全く口にせずに生活していくことは現代の日本ではほぼ不可能と言って良いでしょう。合成着色料など、食べずに済むものは出来るだけ減らして健康な食生活を送りましょう。