毎年冬が近付くと、公的機関・医療機関からのインフルエンザのワクチンの摂取を呼びかけが始まります。

インフルエンザでなくとも、子供の頃、はしかやみずぼうそうなどのワクチンを注射され、怖くて痛くて泣いてしまった経験を持つ人も多いでしょう。ワクチンはその病気にかからないために行うものですが、どうしてワクチンを打つと病気予防が出来るのでしょうか?これも、免疫力を利用しているのです。

ワクチンとは、病原体やそれの持つ毒素を弱くした、あるいは無害化したものです。ワクチン(病原体)を体内に入れることにより、免疫機構がその病原体に対する抗体を作り出します。そして病原体を攻撃するのですが、ワクチンは毒素が弱いため、この段階で重い症状が出ることはほとんどありません。

しかし、免疫力は非常に高い学習性を持っています。そのため、次に外部から同じ病原体で毒素の強いものが侵入してきたとき、ワクチン接種によって作られた抗体がすばやく反応し、病原菌を攻撃します。

こうして、病気にかかることを防いでいるのです。免疫力の優秀なところは、ここで作られた抗体はほぼ一生体を守り続けるという点でしょう。幼児期にはしかなどの予防接種を受けておくと、その後の長い人生、その病気にかかる心配をする必要はほとんど無いのです。

しかし、最近の研究では、たとえ幼児期に麻しんなどの予防接種をしていても、終生免疫と呼ばれる一生その病気にかからない免疫を作ることが出来るわけではないことも分かってきました。

また、インフルエンザワクチンが毎年のようにその必要性を訴えられるのは、インフルエンザが「変化するウイルス」だからです。インフルエンザウイルスには突起がありますが、この形がどんどんと変化していきます。

このため、一度インフルエンザにかかってそれに対する抗体が出来ても、新しい突起を持つインフルエンザウイルスにはその抗体は効力を発揮できません。そこで毎年、その年に流行するであろうと予想されるインフルエンザのワクチンを新しく作り、接種する必要があるのです。

免疫力も完全ではありません。また、自分が感染症にかかることにより、周囲の免疫力が低下している人にもその病気をうつしてしまう危険性もあります。日頃から免疫力を高めるとともに、きちんとワクチンを接種して周囲への予防にも努めましょう。