テレビや雑誌、インターネット…どこを覗いても、今や「ダイエット」という言葉を目にしない日はありません。

特に若い女性は、「やせていることが美人の条件」と思い込んで、必要以上に体重を減らそうとする傾向があります。確かに、太り過ぎはメタボリックシンドロームを招き、高血圧や心臓病、脳卒中や糖尿病など様々な病気の原因になります。

しかし、標準体重を大きく下回るほどの「やせ過ぎ」も、また、免疫力を低下させ、病気にかかりやすくなってしまうのです。まず、やせると皮下脂肪が少なくなります。皮下脂肪は外気温から体を守っていますから、それが減ると免疫力が活発に活動できる体温(36.5度~37度)を維持することが難しくなり、免疫力が低下します。

血行が悪化するため、血液中の白血球やリンパ球がうまく動くことが出来なくなり、外敵に抵抗する力が弱まってしまいます。しかし、免疫力が低下する原因は皮下脂肪が減ることだけではありません。

むしろ、ダイエットのための食事制限にあるのです。体重を減らすために摂取カロリーを落とそうと食事量を減らしてしまうと、必要な栄養素まで十分に取ることが出来なくなります。

特に、免疫細胞はたんぱく質から作られるため、「肉はカロリーが高いから食べない」とたんぱく質の元である肉や魚を食べないでいると、免疫細胞が減ってしまいます。また、食事の全体量が少なくなることにより、必然的に免疫力をサポートするビタミンやミネラルも足りなくなり、やはり免疫力が低下してしまうのです。

免疫力を維持しつつダイエットを行おうとするなら、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのバランスの取れた食事を「腹八分目」食べることが重要です。それでは、太っている方が免疫力は高くなるのか?と思われるかもしれませんが、それもまた間違っています。

生き物は、生まれつき多少の飢餓状態には耐えられるような身体機能を持っています。逆に、必要以上のカロリーを自動的に消費することは出来ません。取りすぎたカロリーは脂肪として蓄えられ、肥満に結びつきます。

低カロリー食の方が免疫力が高まるという研究結果も発表されています。ダイエットを考えるのは良いのですが、それはあくまでも「正しい」ダイエットを行った場合です。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることによって、高い免疫力を維持しながら健康的に体重を落としていきましょう。